【スタッフ日記】化学物質過敏症

こんにちは、安ちゃんです。
みなさん化学物質過敏症という言葉をお聞きになられた事はありますか?
最近、立て続けにテレビで特集された事もあり、ご存じの方も居られるかと思います。

パッと見、元気いっぱい幸せいっぱい脳天気に暮らしている風のワタクシも、実は日々これと戦っております。

ですので、今回は少しシリアスになってしまうテーマではありますが、まだまだ知られていない化学物質過敏症について少し書きたいと思います。

化学物質過敏症(通称CS)は生活空間に漂う微量の化学物質によって健康被害を発症する病気です。対象となる化学物質と症状には個人差があり、これが病気の解明を難しいものにしています。

なんとなくイメージ的には、花粉症などのアレルギーとも近い気がしますが、過敏症とアレルギーには明確な違いがあります。

「免疫系」の過剰反応がアレルギー ・ 「神経系」の過剰反応が過敏症

という違いがあり、アレルギーがくしゃみ鼻水、浮腫や蕁麻疹などが起きるのに対して、神経系の過敏症は、呼吸障害、視覚障害、動悸、めまいなど自律神経に大きく影響するため、一般生活に直接的なダメージが出てしまいます。

私は今のところ特定の柔軟剤やシャンプー、洗剤などに対して強く反応します。 他には家具屋さん(恐らく家具の接着剤)でも反応があります。 普段平気なものでも一旦スイッチが入ってしまうと異常に敏感になってしまいます。

目に見えない物質に対する反応のため、医学界でも過敏症自体を否定して精神的疾患とするお医者さんも居り、wikipediaでも、祈りで治るとか、精神疾患の一種と書かれている程ですが、こういうお医者さんは何も分かっていません。 なぜならば、過敏症反応が起きると、神経へのダメージが出るので、瞳孔の即時反応が著しく鈍ったりと、精神ではコントロール出来ない部分の神経障害検査によって科学的に見極める事が出来るからです。

私が専門医で検査を受けた時にも、殆どの患者さんは精神疾患と診断され、抗うつ剤などの治療を強要されてしまっていると先生が仰っていました。私自身も10年近くに渡り、自分の体調不良の原因が何なのか分からず、動悸に対する心臓の薬やアレルギーの薬など様々な薬を試してきました。

それが専門医を訪ねた際、様々な神経系の検査によって化学物質過敏症であると診断され、先生は「発作が起きる時、動悸がしませんか? 呼吸がし難くなりませんか? 激しい頭痛がしませんか? 眼球が痛みませんか? めまいがしませんか? 急に忘れ物が多くなりませんか?」と、全てお見通しの質問。

「脳神経を含めた中枢神経にダメージ出るから仕方ないんです。」との事。

私としては「はい。はい。はい。はいはいはい、全部はいです。え?まさかの忘れ物までですか?はい。 ワォ!全部これに起因していたのか!」と驚き、体調不良の原因が分かって霧が晴れた思いでした。

ただ、その後の先生の言葉は甘くはありませんでした。

「今の医療では治せないので、薬も治療法もありません。 出来るだけ原因物質を取り込まない生活をすること。これしかありません。」

ガーーーーン。。。。

我が家の洗剤やシャンプーを完全に天然物だけを使うようにしたり、家具屋さんに敢えて行かないことは出来ても、1歩外に出てシャンプーや柔軟剤を使っている人を避けて生活する事なんて出来ません。 電車に乗ってもエレベーターに乗っても遭遇リスクは常にあります。 特に2008年以降、揮発性が高く、香りの強い柔軟剤は年々シェアを広げています。 勿論、そういう商品は世の人々には支持され、人々を一層幸せにしてくれているので、一般的には素晴らしい商品で、勝手に過敏症になった私がこれらの商品に対して悪者扱いしているわけでは決してありません。 でも、化学物質過敏症の私にとっては、目に見えない敵と戦っている様な気持ちで日々を過ごしています。

目に見えない物質のため、「あれ駄目!これも駄目!」というと、他の人達からは非常にわがままに聞こえ、自分勝手に見えてしまうのも充分理解出来ます。 でも我々CS患者にとっては毒ガスが散布されているかの様に息苦しく、激しい刺激として感じてしまうため、どうしてもリアクションも大きくなってしまいます。

私は幸運にも家族や職場、身近な皆さんがとても理解のある恵まれた環境ですが、毎日の生活スタイルを、自分だけで無く共に生活、仕事をする皆に影響してしまう事だけに、世の中では、回りの理解が得られず、家族離散や仕事も辞めざるを得なくなる程に苦しい生活を強いられているCS患者達が多いと見聞きします。

これを機に、皆様にも化学物質過敏症という疾病が有る事を、少しだけ心の片隅にとどめておいて頂けると嬉しく思います。

参考リンク:他人の服に残る柔軟剤は「毒ガスの苦しみ」 理解されない化学物質過敏症の患者
参考リンク:「化学物質過敏症」を知っていますか?

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